姫路靼再現プロジェクトの記録

第2歩 プロジェクトの舞台・市川

2011.8.19

 実際にプロジェクトを始める前に、もう少しだけ説明を......。

  姫路靼ひめじたんをつくる作業はいろいろありますが、ざっくり分けると、4種類になります。川に浸ける作業、天日で干す作業、塩や菜種油をもみ込む作業、革を整える作業です。

 この4つの作業を1回ずつやって終わりならラクなんですが、そういうわけにはいかず、川に浸けて、干して、革を整えて、塩をもみ込んで、また干して、革を整えて......というふうに、4つの作業を行きつ戻りつしながら進めます。そうやって、2~3か月後に、姫路靼の完成となるわけです。

 プロジェクトの舞台は、2か所です。ひとつめは当社の工場。ここでは主に、塩や菜種油を揉み込む作業と革を整える作業をおこないます。ただいま、工場内にプロジェクト用の場所を確保するため、てんやわんや。荷物を片付けています。

 もうひとつの場所は、市川です。協伸のそばを流れている、おだやかな水流の二級河川です。市川では川に浸ける作業をおこない、市川の川原で天日で干す作業をおこないます。

 市川は姫路靼づくりで、とても重要なキーワードなんですね。姫路靼は、市川があったからこそ生産できた革といわれます。ほかの地域の、別の川の水では、姫路靼のような白くて強い革をつくれませんでした。市川の水質が姫路靼をつくるのに適しているわけで、このあたりも今回、解明できればと思います。