姫路靼再現プロジェクトの記録

第23歩 天日干し3

2011.9.29

 天日干し3日目。本日も秋晴れです。川原で皮を広げました。

「ここ、腐ってますわ」。黒いシミを林さんが指さしました。皮の一部に黒いシミ、斑点が見られます。完成時に痕になって残り、修正は難しいでしょう。

 他のメンバーはこれを聞いても、あまり驚きませんでした。じつは黒い斑点やシミは、毛抜き作業の段階ですでにできていました。昨日今日、急に浮き出たものではないのです。それでも完成の日も近くなり、仕上がり具合を気にしながら、皮をじっくり見て、少しがっかりしました。

「この革は、江戸時代、春と秋の2シーズンしかつくってませんでした。夏もやるようになったのは、明治になって、注文が増えてからですわ。失敗も多かったらしいけど」。林さんがいうように、姫路靼ひめじたんづくりは季節を選ぶようです。夏は皮が腐りやすいため、それほど適さないのでしょう。自然を相手にする仕事の難しさをあらためて実感します。

 3日間、天日で干したので、皮はどんどん固くなると思っていたら、そうではなく、「昨日よりやわらかい」と大崎さんは不思議がりました。天日でなめされているからでしょうか。

 今日は、銀面を上にしたまま干し続け、最後まで裏返しませんでした。

 明日も干したいですが、天気予報は降水確率60パーセント。雨に濡れたら、点々が付いてしまいます。これ以上、シミを増やすのは避けたいですね。


9月29日(木) 晴れ 気温27度

天日干しの経過
8:30  開始
15:30 撤収

足もみ、ヘラがけ、天日干しの半裁別作業記録

・表中のグレー部分は、本日実施した作業
・作業時間左の小さい数字は、第何歩を表す

半 裁 I D A B C D
丸皮時の番号 No1 No1 No2 No2
担当 (第1~20歩)
小松尾 (第21~38歩)
小松尾 (第1~20歩)
(第21~38歩)
大崎 金田
重さ 4.5kg 4.5kg 5kg 5kg
裏漉き後の厚さ 1.2mm 1.2mm 1.5mm 1.5mm
1 天日干し 9 4時間10分 9 4時間10分
2 天日干し 10 6時間40分 10 6時間40分
3 天日干し 12 6時間30分 12 6時間30分 12 6時間30分 12 6時間30分
4 天日干し 13 8時間30分 13 8時間30分 13 8時間30分 13 8時間30分
5 天日干し 14 7時間40分 14 7時間40分 14 7時間40分 14 7時間40分
6 足もみ 16 3時間 16 2時間 16 2時間15分 16 30分
7 足もみ 17 30分 17 1時間20分 17 3時間50分
8 タイコ 17 カラ打ち5時間
9 天日干し 17 3分 17 4分 18 1時間 18 1時間
10 足もみ 17 30分 17 30分
11 洗い皮 17 表裏 17 表のみ 18 表のみ 18 表のみ
12 タイコ 18 カラ打ち1時間
13 天日干し 17 天日50分
室内2時間
17 天日40分 18 天日40分 18 天日5分
14 足もみ 17 30分 17 50分 18 1時間
15 天日干し 18 天日30分 18 天日20分 19 天日40分
16 ヘラがけ 17 40分 18 45分 18 50分
17 足もみ 18 30分 18 30分
18 ヘラがけ 18 1時間20分 19 45分
19 足もみ 15分
20 ヘラがけ 19 30分
21 バイブレ 19 縦横各1回
22 バタ振り 19 10分
23 機械ベラ 19 10分
24 足もみ 20 30分 20 1時間 20 1時間
25 ヘラがけ 20 50分 20 1時間40分 20 1時間
26 天日干し 21 7時間 21 7時間 21 7時間 21 7時間
27 天日干し 22 6時間50分 22 6時間50分 22 6時間50分 22 6時間50分
28 天日干し 23 7時間 23 7時間 23 7時間 23 7時間