第25歩　塩出し、洗い皮、天日干し

2011.10.11

　今朝まで11日間寝かした皮はどうなったか。むしろを開封して現れた皮は、色に変化はなく、乾燥して固い状態のままでした。特別何かが変化しているようには見えません。

　今日はこれから、塩出し、洗い皮、天日干しの3工程をおこないます。久しぶりに作業に動きのある一日です。

川の水にさらして、塩出し

　まずは塩出しから始めます。文字どおり皮から塩を抜く作業です。これまで塩を、防腐剤や前なめし用薬剤として使ってきましたが、完成を目前にして、ここで抜きます。

　工場から川原に移動しました。塩出しの要領は、第4歩でおこなった原皮の川漬け作業と同じです。わらやロープやでつないだ皮を川に入れ、流れないよう土台石やテトラポットにくくりつければ、あとはじっと待つだけ。長時間水にさらすことで、自然と塩が流れ出るはずです。

　9時半に川漬けを始めました。1時間後、皮を噛んで確かめると、真ん中あたりは塩辛かったですが、皮の端のほうはもう塩が抜けていました。

　3時間半後の午後1時、「塩、本当に抜けてるわ」と味見をした金田が驚きの声を上げました。川の力は偉大です。こんなに早く抜けきるとは考えていませんでした。4枚とも噛んで味を確認し、引き上げました。長く漬けるとコケが付き始めてしまいます。

　川原にブルーシート敷いて、引き上げた皮を広げました。市販のタワシではキズが付くので、ワラで簡易タワシをつくり、石けんをつけて洗いました。汚れと余分な油を落とす洗い皮作業です。

　タワシでごしごし洗うと、心なしか皮が白くなり、すべすべになりました。

「昔は皮肌のすべすべ具合は、18歳の女の子の肌と比べたそうですわ。それぐらいすべすべやったら、いいですわ」と冗談か本当かわからないようことをいう林さん。足もみのときのように、わいわい話しながら作業を進めました。

　表裏ともに洗い終わると、川に漬けてすすぎ洗いをしました。

　皮は、たっぷりと水分を含んだので、また天日干しです。床面を上にして、２時15分から5時まで干して本日は終了。皮には石けんのにおいが残っていました。明日から、皮がカチカチになるまで干します。

10月11日（火）　曇り　気温21度　水温19度

天日干しの経過
14:15　開始
17:00　撤収

足もみ、ヘラがけ、天日干しの半裁別作業記録

・表中のグレー部分は、本日実施した作業
・作業時間左の小さい数字は、第何歩を表す

半裁 I D	A	B	C	D
丸皮時の番号	No1	No1	No2	No2
担当	林 (第1～20歩) 小松尾 (第21～38歩)	小松尾 (第1～20歩) 林 (第21～38歩)	大崎	金田
重さ	4.5kg	4.5kg	5kg	5kg
裏漉き後の厚さ	1.2mm	1.2mm	1.5mm	1.5mm