姫路靼再現プロジェクトの記録

第40歩 小雨に降られて、天日干し7

2011.11.30

 本日も朝から、半裁AとDを干した。3時ごろに取り込むつもりだったが、2時前、雨が降っているのに気付き、駐車場へ急いだ。天気予報は雨なんて一言も言っていなかったのに・・・。

 幸い、着いたころには、雨は上がっていて、小雨というか霧雨程度の雨量だったようだ。地面はほとんど濡れていない。

「2枚とも、だいぶカチカチに乾いていたでしょう。だから、大丈夫やと思う。半乾きの状態で雨にやられたら、塩が抜けてしまうけどね」と林さん。なめすという工程上は問題なく、革の機能には影響はなさそうだ。しかし、雨に濡れたのは、悪いことに銀面だ。雨の痕が黒く斑点状に付いている。仕上がったときにシミが残ると見た目が良くない。

「天日干し工程のあとは、味取りです。革全体を水に浸けるので、そこできれいになると思いますよ」

 林さんの言葉に胸をなで下ろしたが、このあとの工程で様子を見ていきたい。

「昔は、子どもに天日干しの見張り番をさせたそうですよ。見張り番は小さい子でもできるから、皮のそばで遊ばせて、天気が悪くなったら、取り込ませた」

 かつては分業体制の姫路靼(白なめし革)づくりだったが、今回のプロジェクトはそうはいかない。それに2回目の挑戦だからといって、気を抜けないことがよくわかった。この先にも、夏秋編ではたまたま成功しただけで、なにか失敗につながる作業があるかもしれないと考えると、あらためて気を引き締め直す一日だった。


天日干しの経過(半裁A、D)
9:15 床面を上にして開始
12:15 裏返し
14:15 撤収
計5時間
累計44時間5分

11月30日(水) 晴れのち曇り、一時雨 気温22度